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コラム

借地の老朽化アパートを急に相続することになったら・・・?

  • 相続

表題のタイトル「借地の老朽化アパートを急に相続することになったら…?」が本日のテーマです。

借地・底地の問題は本当に複雑な問題です。
東京では、戦後の復興時に、地主さんから土地を借りて家を建てる習慣が多かったことから、今でも借地に住まわれているケースがあちらこちらに存在します。

今回ご相談をいただいたのは、3年前の夏!
ご相談者様のお母様が急にお亡くなりになられ、ご所有されていた自宅と隣接するアパートを急に相続したケースです。

なんら問題がないような相続ですが、隣接のアパートの一部を地主さんより借地して借りてアパート経営をされていたことが大きな障害となったのです。

建物は築40年近く経過しており、老朽化に加え賃料の安さ&空室状態…。
ご相談者様は、これを機に建替えを決意され、老朽化アパート&お母様が住まわれていたご実家の建替えプロジェクトをご依頼いただきスタートを切りました。

借地の建物を、建替えや増改築する際は地主さんの許可が必要です。
老朽化したアパートにお住まいの方々には、経過をご説明して新しい住居へと無事引越しをしていただきましたが、地主さん側の不動産屋さんのご協力もいただきながら地主さんと折衝を試みたのですが難航…。

借地の整理の方法は単純です。底地を地主さんから買取るか、建替え承諾を得ること。

一時は底地の買取の了承を得る事ができたのですが、地主さんがご高齢だったこともあり、何度も話が逆戻り…。

最終手段として、「借地非訟」の裁判を起こし、無事建て「替え承諾に代わる判決」をいただき、無事、解体 → 着工までたどり着くことができました。

この種の相談は実は数多くお受けしており、丁寧に事を進め和解するケースが多いのですが、今回は本当に最後(判決)まで行く結果となってしまい、ご相談者様には時間と費用をいただくことになり、本当にご迷惑をおかけしました。

借地・底地の問題のこじれの多くは、実は近隣の関係に原因があることがほとんどです。
今回のケースでは、ご相談者様自身にはまったく問題はなく、単に隣地の境界に歴史的な問題が生じていたのが原因。

普段あまり「境界」という存在を意識されない方も多いかと思いますが、実はこの「境界」。たったの○○センチで問題が起こすケースは数多く存在します。

事実、地主さんにとって、収益性の乏しい貸宅地の整理は相続対策の基本。今回地主さんとの折衝でも、相談者様には好意を持っていただき、一度は底地の売却の合意できそうな所までは行きました。
しかし、最後のところで、境界をめぐる過去の歴史の問題で、やはり印鑑は押せない!という感情で決裂して裁判所を活用することになってしまいました。

裁判は順調に経過し、難なく過程を終え完勝。地主さんに代わって裁判所が「建替え承諾」の判決を出してもらいました。

結果をみると、「建替え承諾料」や「更新後の地代」も、近隣相場に照らした額を明示していただき、民民でご提示していた金額より、はるかに低い額で決着し、建替え後の収益はアップしました。

借地の建替え。底地の整理。この問題はこれからも数多く存在することでしょう。
借地。底地の問題でご相談がありましたらお気軽にお問合せください。
弊社では、適正地代や借地の更新料などの査定もさせていただいています。

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