「土地活用」「アパート経営」「賃貸経営」・・・。
土地活用に関するキーワードを打ち込み検索をすると無数のサイトが表示されます。
また弊社にも直接デベロッパーから収益が8%以上と言った広告(FAXやDM)がよく持ち込まれます。
メダルラッシュで沸くオリンピック効果もあるのか、8月のテレビ視聴率も好調とのニュース。
私も感動の共有をしたくテレビを見る機会が多くなっていますが、この業界に身を置く私にとってはコマーシャルが面白い。
まず目につくのが信託銀行のCM。「親父が生前贈与を・・・」「そろろ相続を・・・」といった類のCM。
最近流行りの「家族信託」や「相続信託」を売りたいのだろう。
次に目につくのがハウスメーカーのCM。
さすがに相続税対策にアパート建築を!といった類のCMはないが、一括借上げで安心!といった危険性を伴うCMも多く見かけるので心配だ。
この時期ハウスメーカーがCMを流すのは、秋竣工の物件の現場見学会のお知らせが多く見受けられます。
賃貸のシーズンは2~3月の引越しが多い時期を第1シーズンと位置付けると、移動などが多い9~10月は第2シーズンともいえ、この時期は賃貸需要が伸びるので、あえてこの時期を目指して賃貸住宅を完成させることは、新築時の高賃料を獲得できる戦術のひとつでもあります。
この完成物件を見てもらい来春の第一シーズンに竣工を狙うハウスメーカーの意図が伺えます。
さて「表題」に話を戻しますが、低金利時代が続いて背景からか、不動産投資に目が行く方が実際に増加しています。昨年度の建築着工戸数の統計を見ても、賃貸住宅の建築戸数が特に増加をしています。
人口減少が危ぶまれる時代で、賃貸オーナー様から「空室」に対する不安をよく耳にしますが、それでも増え続けているのが現状です。
弊社に飛び込むFAXやDMによる広告も、土地購入で賃貸を!などの類も多くことは先に述べましたが、はたして東京都内で土地を購入して賃貸住宅を建てて利回りが表題の利回りをはじき出せるものなのか??
先日弊社近隣の物件(利回り8%!)という物件を見学してきました!
30坪ほどの土地に木造2階建て8世帯・・・。
中を見てみると、まず狭い!という思いが実感として感じました。ただひと昔前に流行ったロフトがついていて天井高があるので圧迫感はなく、学生ならこの位で大丈夫なのかな?とも思ったのも事実。
確かに8世帯が新築時の設定賃料で満室であれば利回り8%を弾き出す計算。確かに誇大広告ではありませんでした。
ただひとつ思ったのが、これが中央線の中野・高円寺・吉祥寺なら実現はありかも!と思ったのが現実感でもあります。
入居者が賃貸物件に要望ポイントの上位は「独立洗面」と「バストイレの別」が圧倒的です。
3点ユニットなんて・・・。新築や要望する駅または駅近物件等付加価値物件でなければ、図面を出した瞬間に弾かれてしまうのが現実です。
不動産投資という長期的な観点から見ると、やはり疑問符が着いてしまいます。
但し、地主さんが相続対策の一環で、現金を不動産に転換させる目的がある方や、不動産投資を専業としている方で、転売も視野に入れていらっしゃる方なら面白い物件なのかもしれません。
現在住宅ローンの金利が毎月過去最低金利を更新している状況下のもと、不動産関連の投資に関する情報が数多く輩出されています。
しかし、金利は安くとも東京都内の土地価格も上昇気味です。利回りの数字だけにとらわれず、しっかりとした目的や意識を持つことがとても大切です。