地震保険の新規契約件数が、震災後2倍に急増!
東日本大震災からまもなく3年を迎えようとしています。今現在も現地では大変な思いをしいられている方も数多くいらっしゃり、少しでも早く「復興」の兆しが見えることを切に願っています。
先般「ほけんの窓口」を全国展開する株式会社ライフプラザホールディングスが、昨年度末までの統計によると、震災後「地震保険」の新規契約数が、震災前と比べ2倍に急増したとプレスリリースしました。弊社でも火災保険の代理店業務を行っていますが、つい先日、東京大学地震研究所の研究チームが、マグネチュード7クラスの首都直下型地震が今後4年以内に約70%の確立で発生するという試算を発表して以来、地震保険への新規加入の申込みや問合せが現実に増えてきています。
簡単に「地震保険」に簡単にご説明します。通常契約されているの火災保険では、地震が起因となって起きた火災や建物の倒壊などの被害は賠償されません。震災前には、「地震に強い家」などをテーマにハウスメーカー各社が「耐震」「免震」などをアピールしたコマーシャルを多く見かけていましたが、そもそも現在の建物などの構造物をは、設計をする際に、その構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証しなければ、建築許可がおりず建築に着手することができません。※耐震基準
この事を考慮すると、想定内の地震であれば家が倒壊する危険性は低いと判断し、高いイメージがある「地震保険」への加入に、二の足を踏んでいるケースを多く見てきました。※私見です。 しかし今回の震災を見てみると、建物の躯体自体は大丈夫(※津波被害は除く)ですが、地割れなどにより基礎自体や建物の内外装などに大きなダメージを受けたケースが数多く存在しているようで、「地震保険」へ加入しているか否かで、補修や改装・改築など当座の問題がクリアされるか大きく分かる。という事が現実に起きているのが実態のようです。
※地震保険については、ご加入の火災保険会社へお問合せください。親切に教えてくれます。
さて、賃貸経営をされている大家さんにとっては、賃貸住宅という建造物を所有して商いを営んでいるわけですので、今回の震災でご自身の建物は大丈夫か・・・? 本当にご心配されているとご推察いたします。
日本は、活断層の上に浮かんでいると言われており、東京大学地震研究所の研究チームが発表する以前から、首都圏において、いつ大地震が発生してもおかしくはないと言われ続けています。
ここで心配なのは、ご所有の賃貸住宅が、地震が起因で倒壊し、入居者や通行人などに怪我などを負わせてしまった場合、家主側にはどのような責任が発生するのか?建物の被害はもとよりその責任の範囲を理解しておかなければなりません。
昨年末、東京・日比谷にある弁護士事務所の元に、弊社オーナー様の紛争問題に関するご相談に伺った際のことです。ご担当いただいた弁護士の先生とは、数年前より何度かご一緒に「震災時の家主の責任」をテーマにしたセミナーを開く機会があったため、その都度、色々とご教授いただいていたため、弊社へのお客様からのご質問に対応ができた旨をお礼を申しあげたところ、その弁護士の先生も震災以前よりこの問題をテーマとして各所で講演をされていたため、震災後特にセミナーなどの講演依頼やご相談が増加したと話されていました。
話を戻しますが、地震が原因で賃貸アパートが倒壊し、居住者や通行人が怪我をした場合、賃貸住宅の所有者・管理者は被害を受けた方に対し、損害賠償義務を負う可能性があります。
過去の裁判例では、地震により建物やブロック塀が倒壊したケースで、所有者及び管理者への「損害賠償義務」を認めたケースがあります。これは、賃貸アパートやマンションなど、建物の耐震性を備える必要性について問われるケースで、賃貸人としての責任(民法601条、使用収益させる義務)、建物所有者としての責任(民法717条、土地工作物責任)という二つの視点から検討する必要があります。
特に、1981年6月に改正された建築基準法では新耐震の概念が盛り込まれており、この以前に建てられた建物は、場合によっては上記二つの視点に該当するケースがあります。
※掲載の活断層図は「地震情報サイト JIS 」で閲覧することができます。→→→http://j-jis.com/