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老朽化アパートの建替えプロジェクト始動!

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地鎮祭

築60年を迎える賃貸の建替えプロジェクトが2022年3月より始動していましたが、この度無事解体を終え「地鎮祭」を迎えることができました。
「地鎮祭」とは、建物を建築する際、基礎工事前に土地の神を祭り、工事の無事を祈る祭事です。

本プロジェクトの所在は丸の内線「新中野」の青梅街道沿いにあり、店舗が2軒と住居が9世帯木造2階建ての店舗併用賃貸住宅。

弊社が管理を委託されたのが12年前ほど。立地もよく満室状態が続いていたのですが、冒頭にも表記したように築60年を迎える建物。
管理委託をいただいた当初から、老朽化に対して今後どのようにしていくか?など家主さんと話合っていました。
本来ならその時点で建替えなどを考えても良いケースなのですが、
① 底地が「借地」であったため簡単に事を進めることが困難。※1
② 店舗も併用している賃貸住宅だったため、退去していただくにも困難。※2
   ※1-借地上の土地に建てられた建物を建替えもしくは大きな改造を行う時は、地主さんと協議
    して「
建替え承諾」を得る必要がある。
 ※2 -立退きの正当事由。立退きを行う際には立退きに対する「正当事由」が問われます。
   ここで詳しく記載することは避けますが、この部分についてはご興味ある方が多いと思われ
   ますので、別途、弊社顧問弁護士である吉田弁護士と私の対談や、以前弊社が行ったセミナ
   ーのレジュメなどを用いて記事として掲載させていただきます。
   
上記をふまえ様々な方向性を各専門家も交えて検討しながら、当分の間は「維持」をしていく方向性を家主さんと一緒に決断し、心配な箇所の修繕にとりかかりました。
具体的には自然災害に対しての対策です


屋根も随分傷んでいたため、軽量で強度の高い「ガルバリウム鋼板製屋根」を採用して屋根の葺き替えを行い屋根部分軽くすることで「地震」への備えをする。同時に外壁をできる限り修復しながら木造建築物の脅威でもある「水」への対策を行う。
賃貸住宅を稼働しながら
できることを最低限行い「維持」をしていました。

ただここ数年、想像をはるかに超える自然災害が全国で発生している中、当然本物件もその影響を受けました。

ゲリラ豪雨による浸水が繰り返し発生。基礎部分の腐食が進むなど、もはや建物の安全性が確保できないと判断し、建替えへと言うより、ご入居者様の安全を第一に考え、退去していただくという方向性に舵を取りこのプロジェクトがスタートしました。

文中にも話を混ぜましたが、本プロジェクトを進める上で大きな障壁がありました。
① 底地が借地である → 建替え承諾や底地の買取りなど。
② 金融機関の問題 → 融資について。
③ 入居者様への退去のご協力 → 転居先の確保や保証など。

上記の問題は、都内ではめずらしいことではないので、同様の事例を抱えて悩まれている方も少なくないと思われます。
結果的には冒頭にあるよう地鎮祭を行うことができた訳ですが、一つ一つ解決をしていった経緯など、ご興味がある方はお気軽にご相談ください。

株式会社ティーズプランニング
代表取締役 竹本 勇二

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